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中国とオープンソースソフトウエア

2004/04/13

  00:00:00 by , Categories: Mobile and PDA

[]中国の標準化熱。 このエントリーを含むブックマーク

今月初旬の新聞紙面で、日中韓OSSという見出しを見た方も多いだろう。たとえば、ITメディアの記事にも取り上げられ、
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/0403/31/epn05.html
「取組を否定」という見出しがでた。日経BPでは、http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/NEWS/20040331/142218/
というように、標準化活動で協力という言い方もされた。
もとはといえば、政府間のソフトウエアに関する合意をもとに、昨年11月14日に大阪で開催された「日中韓オープンソースビジネス懇談会」http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000047623,20062032,00.htm
がキックオフとなったものだった。
これら一連の報道には、一貫してみられる特徴がある。
http://news.searchina.ne.jp/2003/0905/general_0905_001.shtml
「『北京青年報』4日付報道によると、先月31日、日中韓3カ国共同で、Windowsに代わるOSとして、Linuxなどのオープンソースソフトウエア(OSS)の開発に取り組むことで合意したが、この発表後、まだ実質的な進展は見られず、むしろ各国間の思惑の違いが浮き彫りになってきているという。」というように、出だしの一歩から、すでに相異点が浮き彫りになっているのだ。
あらかじめ断っておくが、わたし自身が、この日中韓の取り組みの渦中に会社の業務として巻き込まれている。したがって記述できないこともあるが、今後も適切なタイミングでコメントをしていきたいと考えている。
さて、一連のメディアの報道からも分かるように、特定OSの置き換えは「中国がやりたいこと」と理解するのがもっとも真実に近い。
日本および韓国のとくに民間の立場からみると、ユーザの選択肢を増やすことに重きをおいているが、日中韓3国の枠組で域内OSを開発するなんてことを望んでいるわけではない。少なくとも私の知る人達は、そういう考えを持ってはいない。
もうひとつ大きな違和感を感じるのが、Free Riderを嫌う日本の事業者に対して、市場占有率の高い特定の大手ベンダー排除だけが見える中国の動きだ。
自分が日本にいるからといって、ひいきにしているわけではないのだが、良くも悪くもFrom Japan(or Asia) To the worldを意識しているのが日本のOSS関係者である。OSSを使ったITシステムの普及によって、ユーザにメリットになり、かつ自分達が良いと信じるソフトウエアが発展していくことが、望みなのだ。
一方で、中国の標準化提案は自分達の環境統一が主目的であるように思えている。世界へ提案しようという話では今のところない、そんな風に感じている。詳細な調達仕様を作っているような感じなのではないか。でも、自分が中国の担当者だとしたら、それはある意味で正しい行動だと思っている。
国家や市の調達する業務システムの端末ソフトウエアとして利用するには、利用者のリテラシーを考慮すると、統一的な利用方法で使えることが重要だ。一方で、国内産業の育成、単一事業者への依存回避を考えると、複数の業者に同一仕様のOSやオフィスソフト、業務ソフトを導入したパソコンを導入させたい。そのときにOSSを使えば、貴重な外貨を流出させずにすむ。
その取り組みの成果を欧米やアジア各国にも広く還元することにも熱心になってもらえると、グローバルなコミュニティで厳しい議論に晒され、そして評価されるのではないかと思う。それが健全な取り組みの第一歩になっていくとかんがえる。
OSSとビジネス、あるいは政府との関係は引き続き難問であると思う。多国間の思惑が絡んだときに、OSS活用でユーザも事業者もそして、ソフトウエアも適切に発展していくことに注力している真摯な人達が、やり切れない思いをするようなことにはなって欲しくないと思っている。

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