Link: http://informationweek.com/story/showArticle.jhtml?articleID=173601143
創業者の影響力はDistributerでは強いものだ
先週、SuSEの創業者Hubert Mantel がSuSE/Novellを離れた模様だ。2004年の買収から1年以上たってのことだが、いったい何があったのだろうか。
2004年から2005年を振り返ってみると、Linuxディストリビューションがエンタープライズ向けに大きく舵を切り、それが定着してきた一年とみることができる。おそらくHubert Mantelが13年前(つまり90年代前半だ)に操業したときとは、ビジネスもそして求めていく技術も大きく変わってきただろう。
90年代前半といえば、91年のLinusによるLinux開発のNetnews投稿やTurbo Linuxの前身となるPacific Hi-Techの操業、92年のSuSEやRedHat Linuxの操業、Windows 3.1の発売など、新しいコンピューティングの黎明期だったといってよいと思う。この時期、インターネットの可能性とフリーソフトウエアの理念とあいまって、IT業界へと自分自身のキャリアの舵を切ったものだ。
一方で、2000年前後に訪れたネットバブルの崩壊やディストリビュータにおける勝敗(これは崩壊前に上場して資金を確保できたかどうかに大きく左右されている)によって翻弄された人も多数ある。TurboLinux創業者のCliffもあのとき去っていったし、RedHatの経営陣も創業時から見れば一新されているといっても過言ではないだろう。VALinuxも業務を大きく変え、SuSEも変わった。
Link: http://www.kic.ac.jp/column/index.html
「OSSはtechnologyではなくmethodology〜培うべきは技術論ではなく方法論」
わたしが講師を務めている神戸情報大学院大学(KIC)において、私のインタビュー記事が先月末に掲載された。小一時間ほど様々なお話をインタビューアにさせて頂いた中で、話のエッセンスを抽出して記載されている。
今回、とくにお話したことは、
OSSとは、新しい技術(technology)ではなく、どうやって技術を作り出すか、どうやって技術をメンテナンスしていくか、ひいてはどうやって仕事していくかという方法論(methodology)だと考えています。
という部分に集約されているとおもう。
買わなかった本
本日、久々に洋書コーナーに行ってみて、気になった本がいくつかあった。
OSの教科書
オペレーティングシステムの教科書は数々ある。その中で、Linuxを意識したものも多数あるわけだが、本書はその一つである。
operating systems with linux (john o'gorman;palgrave;2001)
本書の特徴は、理論の解説と実際を対比させながら記述していることである。実際に読んだ感想はまた別途記述する。
本書は、28.99ポンドという価格がついているが、神保町の三省堂では2573円と結構お得な値段で販売していた。
Link: http://www.ylug.jp/modules/pukiwiki/
OSC2005-Fallの出張読書会では、塚本さんが、CPUアーキテクチャの紹介をComputer Architecture: A Quantitative Approachの第2版に基づいてされた。本書の第3版では、Pentium4やIteniumなどの最新技術やパフォーマンスについて触れられている。
個別具体的なCPUの内部構造については、 Modern Microprocessor 3rd edition (V.Korneev/A. Kiselev, Computer Engineering Series, 2004, Charles River Media) を読むのがお勧めである。作者がロシア人ということもあり、平易な英語で書かれている。図表が多く、楽しめるのではないだろうか。
本書には、AMD, Alpha, IBM, NexGen, Intel, SPARC, TI, Motorola, Analog Devices, MIPSなどのプロセッサが取り上げられ、Intelのアーキテクチャだけでも、Pentium, Pentium MMX, Pentium Pro, Pentium II, Pentium III, Pentium 4, Pentium M, IA-64, NexGen, AMD K5, AMD K6, K6-II, K7, AMD Hammer, Cyrix 5x86, 6x86, 6x86MX, IDT winchip, whinchip2, VIA CYRIX III, Transmetaがダイアグラムとともに解説されている。 ほかにも、DSPやNeuroprocessorにも言及するという意欲作である。
どちらかを読めばいいというものではない。後者は、具体的な紹介が特徴であり、過去にどのような経緯をたどったかを確認するのに向いている。補完的に利用するのがよいだろう。理論的な背景を学び使える力にするには、前者をテキストとしたい。
Link: http://www-cs-faculty.stanford.edu/~knuth/taocp.html
うっかりしていた。Vol4がFascicle2として出ていた。
The Art Of Computer Programming, Fascicle 2: Generating All Tuples And Permutations (Art of Computer Programming)
Ottawa Linux Symposiumでオタワにいたときに書店で見つけて、即購入した。
ところで、さらに7月末に発売だったらしい、これも買わなくてはならないだろうか。
The Art Of Computer Programming, Fascicle 3: Generating All Combinations And Partitions (Art of Computer Programming)
Donald Ervin Knuth (著)
おじさんパワーを発揮する
いつも熱い思いを語ってくれる吉岡さんがBLUE MLにまた思いを語ってくれた。
OSSも利用するという観点とOSSを開発するという観点と
いろいろあるかとは思いますが、個人的には昔から言って
いるように「OSSの開発で飯を食う」という方向へいけたら
いいなあと。そのような人材を育成するプログラムがますます充実すると
うれしいので、千葉さんや三浦さんの試みには非常に注目
しています。教材、カリキュラム等もバザール的にみなさんの知恵を拝借
しつつ開発されていったら面白いですね。